就職活動は、損害保険会社を中心に行っていました。しかし、多くの会社を見比べる中で「ファクタリング」という聞きなれないサービスを耳にし、まだ社会に広く認知されていない商品に将来性を感じ入社を決意しました。ファクタリングが損害保険と似た性質を持っているのも、興味を持った理由の一つです。入社後はファクタリングの基本を身につけた後、審査部でお客さまの決算後の審査などを担当していました。
入社から5年ほど経ち、私の結婚を機に、初めて異動することになりました。審査の仕事が忙しかったこともあり、上司に配慮していただき債権管理部へ。でも、蓋を開けてみると、実際はそちらのほうが忙しくなってしまったんですけどね(笑)。債権管理部では、お客さまの債権の支払いや回収、法務なども兼ねていました。審査とはまったく違う仕事だったのですが、上司や先輩が基本からきっちりと教えてくださったので苦労はしませんでした。新しいことを学ぶのがとても好きなので、大変なことでも面白く感じられたのかもしれません。
債務管理部に所属している間に2度の出産を経験しました。仕事と育児の両立には想像以上に苦労しましたが、会社を辞めるという選択肢はありませんでした。むしろ、どうすればものごとをスムーズに進められるのかを考えるようになり、育児が仕事の効率アップにもつながったと思います。仕事とプライベートを充実させることができたのは、時短勤務や業務量の配慮など、上司や同僚が子育てに理解を示し、仕事面でサポートをしてくれたおかげです。
そして、子どもたちが大きくなり、これからのキャリアについて考えた始めたころ「営業がやってみたい」と思うようになりました。今まで事務や管理などのバックヤードを経験してきたので、表方としてお客さまとの交渉や提案を行う営業の仕事に興味が湧いたんです。当時、女性のファクタリング営業担当がおらず、前例もなかったのですが、挑戦したい気持ちが大きかったので自ら希望を出しました。「家庭と両立できるのか」など、私自身はもちろんですが、周りにも不安があったと思います。しかし、新しいことを学ぶ意欲や、それまでの働き方を評価いただき、念願叶ってファクタリング営業担当になりました。
営業部に配属されてからは、お客さまに取引を検討されている企業の与信のご相談に乗ったり、新規でファクタリングをご検討されているお客さまに営業を行ったりと、忙しいながらも充実した日々を送っていました。女性は私一人でしたが、上司や同僚のおかげで居心地の悪さなどは一切感じませんでしたね。
私は元々業務職でしたが、業務の幅を広げたいと思い、コース転換しています。そもそも私が入社した当時は「4年制大学の女子は採用しない」という企業もあった時代です。性別で活躍が制限されてしまうことも往々にしてありました。
今では女性が仕事とプライベートを両立させながら活躍できるように制度を整えている企業も多くありますが、それでも苦労している女性はまだまだ多くいると思います。私が出産や育児をしながら仕事を続け、審査、債権管理、営業など様々な部署を経験できたのは、会社のサポートがあったからこそだと思います。ここまで支えてくれたことにとても感謝しています。
私は、初の女性のファクタリング営業担当であったのと同時に、産休と育休の取得も第一号の社員でした。ファクタリング本部では子育てをしている女性社員がいなかったので、当時は制度が整備されていなかったんです。例えば、半休制度がなかったので、子どもの面談などに出席することが難しい状況でした。そこで、「子どもの保護者会に行くための制度がほしい」と申し出たところ、半休を取得できるように対応してくれたのを覚えています。
現在在籍している人事部では、後輩の育成に力を入れていきたいと思っています。今までは自分が成長するためのキャリアパスについて考えていましたが、今は優秀な後輩たちがいるので、彼らが活躍できるような教育の制度やキャリアパスを構築していきたいです。
